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現在のところ「うつ病」などの精神疾患を診断するための決定的な検査方法はありません。つまり、血液検査や画像検査ではうつ病を診断することができないため、医師と患者さんあるいは家族などの周囲の方との面接、問診から得られた情報をもとに診断します。
最近では、米国の精神医学会によって作成されたDSM-IV(ディーエスエム・フォー)と呼ばれる精神疾患の診断基準が用いられることが多くなりました。現在、日本においてはDSMが導入される以前の分類や診断(従来型分類・診断)とDSM-IVの両方が使用されています。DSM-IVの診断基準については別ページで後述します。
ここでは、以前からあったうつ病の分類と診断の手掛かり=従来型分類と診断について解説します。
内因性のうつ病や躁(そう)うつ病における従来的な分類は下表のようになっています。
- 内因性のうつ病、躁(そう)うつ病の従来型分類
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双極性うつ病 躁(そう)状態とうつ状態の両方、あるいは(そう)躁状態のみを症状とする場合 単極性うつ病 うつ状態のみを症状とする場合 身体因性うつ病 脳の病気や他の生活習慣病など、他の身体疾患に伴い、うつ状態を呈するもの 抑うつ神経症(神経症性うつ病) いわゆるノイローゼにおけるうつ状態。自殺に及んでしまうような重症化はまれで、よく観察すると典型的なうつ病とは異なった症状を呈する。抗うつ薬治療に効果が得られないことが多く、神経症性うつ病はうつ病に含めないという考えもある
- 単極性および双極性うつ病

ここでは、(内因性)単極うつ病の診断について解説します。
発症に際してはっきりとした理由が見当たらない場合に「内因性」という診断が付けられます。単極性うつ病の発症においては、実際に発症を導くような誘因(きっかけ)がないというわけではありません。例えば、転居、転勤、昇進、子供の結婚や、近親者の死、別居、地位や財産を失うなど、その方にとって急激な負担の増加・軽減といった事柄が影響することが多いのです。ただし、これらはあくまで「誘因=きっかけ」であって、例えば近親者を亡くした方すべてがうつ病を発症するわけではありませんから、うつ病に至った理由とまでは言えないのです。
これに併せて、患者さんの生育歴ならびにこれまでの病歴、家族に同様の病気になった方がいないかどうか(遺伝性があるかどうか)、また、患者さん本人の病前性格(うつ病の症状が出る前の性格がどうだったか)についても確認します。
内因性うつ病にかかりやすい病前性格としては、以下のものが挙げられます。
| 循環性格 | 肥満型体型の方に多い性格。すごく陽気で明るい状態と、物静かで陰気になる状態の両方が顕著に出る。主として躁うつ病(双極性障害)の病前性格 |
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| 執着性格 | 責任感が強い、仕事熱心、几帳面、律儀で正直・素直、熱中しやすく凝り性で徹底しないと気がすまない性格。仕事や勉強といった課題を無理をしてでもこなそうとする完璧主義のため、心身ともに疲労が増し、過労に陥ってうつ病発症に至る。 |
| メランコリー型性格 | 秩序を重んじ、仕事に堅実で、他人に対する配慮を怠らない常識的な性格。自分自身の秩序に縛られ融通性がないため、うまくいかなくなったときにうつ病を発症しやすい。例えば、仕事は正確に果たすが、仕事量が増えた場合に質を維持できなくなると、質と量の両立に悩んでうつ病を発症する。 |






