
社交不安障害(SAD)に見られる症状と生活への影響
代表的な症状と社交不安障害の2つのタイプ
社交不安障害に悩む患者さんには、さまざまな症状がみられます。
緊張や不安の症状が出る場面によって、大きく2つのタイプに分けられることもあります。
「電車の中でだけ」「会社での電話対応だけ」と限られた場面でのみ不安の症状が出る人を「非全般性」。一方、人と接するあらゆる場面で症状が出る人を「全般性」と言います。全般性の場合、生活に与える影響が非常に大きく、うつ病や薬物依存などを合併しやすいという報告もあります。
ここでは代表的な症状について紹介します。

- 1.人前で何かを発表することに、極度に苦痛を感じる(スピーチ恐怖)
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初対面の人が集まった席での自己紹介、大勢の人を前にする挨拶などでは、たいていの人は胸がどきどきして緊張しながらも、何とか乗り切ります。しかし社交不安障害の患者さんは、緊張のあまり頭が真っ白になって手足が震えたり、言葉に詰まってしまったり、何をいっているのかわからなくなってしまいます。例えば、面接や会社でのプレゼン、結婚式でのスピーチといった場面でこのような症状で悩み、こうした場面をできる限り避けるように生活している人も多くいると言われています。

- 2.オフィスなどで、かかってきた電話に出るのが怖い(電話恐怖)
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目の前にいる人との会話は問題なくても、電話だと怖いという人がいます。相手の様子が見えないだけに、余計恐怖を感じるようです。自分の声が震えたり、舌がもつれたりすることが気になって、強い不安感を抱いてしまいます。また自分の応対が相手に嫌な印象を与えるのではと思うと、口数が少なくなったり、電話を避けたりするようになります。

- 3.人前で字を書こうとすると、手が震えてしまう
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クレジットカードやホテルのチェックインなど、誰かが見ている前で文字を書こうとすると勝手に手が震えてしまうことをいいます。まわりの視線が気になり、震えてはいけないと思えば思うほど、余計に震えて文字がはみ出してしまいます。

- 4.家の外で食事をするのが怖い、誰かと一緒だと食べ物が喉を通らない(外食(会食)恐怖)
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自分の食事の仕方が相手に不快感を与えるのではないか、吐いてしまうのではないか、自分が食べる様子をじっと見られているのではないか、などの不安で、リラックスして食事をすることができません。料理を味わう余裕はまったくなく、一刻も早くその場を立ち去りたい気持ちでいっぱいです。

- 5.人にみられていると思うと、何かを持った手が震えてしまう(振戦恐怖)
- オフィスでお客様にお茶をだす、名刺交換をする、会議で書類を配る…。そうしたときに手がぶるぶると震えてしまいます。お茶を出そうとする自分にみんなの注目が集まっている、そう感じた社交不安障害の患者さんはその視線に耐えられず、緊張感が大きくなってしまいます。意識すればするほどますます手が震えて、お茶をこぼしてしまうこともあります。
このほかに、遠慮してしまって自分の意見が言えない、人に仕事などを頼まれると断れずどんどん仕事が増えてしまう、目上や初対面の人を前にするとひどく緊張してしまい、ひと言も話せなくなってしまうといったケースもあるようです。たとえ知り合いであっても、1対1になると何を話してよいかわからず緊張してしまうということもあります。また、人前でお腹が鳴るのではと心配でたまらず、意識するほど鳴ってしまうため、静かな会議室などが怖くなってしまう患者さんもいます。
男性には、公衆トイレで人と並ぶと排尿ができないという人もいます。隣をわざわざのぞく人はいませんが、本人がまわりの人を意識しすぎてできなくなってしまうのです。
自分の不安な場面、症状を知ることは社交不安障害の治療をする上でも非常に重要です。「社交不安障害かもしれない」そう思った人は是非社交不安障害のチェックを実施してみて下さい。
社交不安障害が与える生活への影響
社交不安障害の患者さんが抱えるどの症状にも共通するのは、極度な緊張感の中、不安や恐怖を感じ、そういった機会を避けるようになってしまうことです。また避けてしまう場面が、受験や就職活動の面接といった人生において大事な場面であるために、本来の自分の能力を発揮できずに過ごしている人が多いといわれています。さらに問題として指摘されているのは、社交不安障害の症状を自分の性格と捉えているために治療を受けないまま過ごしていると社会生活の様々な場面で支障が生じ、うつ病を発症する人も多いということです。
社交不安障害は自然と治ることはほとんどないと言われ、治療することによって本来の自分の能力を発揮したり、今まで苦手だった場面に対応できるようになったりする人も大勢います。
ずっと悩んでいる症状が社交不安障害であれば、治療することによって改善できる可能性があります。



